日本腹部救急医学会雑誌
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特集:腹部救急領域におけるIVRの最近の知見,手技
下部消化管出血に対するIVR
池田 慎平八方 政豪上嶋 聡嶺 貴彦川口 祐香理船木 裕坂野 高広上田 太一朗山本 真梨子安松 比呂志益子 一樹原 義明
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2023 年 43 巻 5 号 p. 839-843

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抄録

下部消化管出血に対する経皮的動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization:TAE)が選択される機会は増えており,その有用性はすでに示されているが,消化管虚血などの合併症が問題となるため,塞栓範囲の設定や塞栓物質の選択を適切に行うことが重要である。下部消化管出血においては,直細動脈(vasa recta)が出血源であることが多く,出血点が明らかであれば金属コイルやn-butyl-2-cyanoacrylate(NBCA)を用いたvasa rectaの選択的塞栓が第一選択である。出血点が明らかでない場合の代替手段として,イミペネム・シラスタチン(IPM/CS)の使用がここ数年で報告されるようになった。

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© 2023 日本腹部救急医学会
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