2024 年 44 巻 1 号 p. 61-64
症例は既往に血管型Ehlers-Danlos症候群(以下,EDS)がある18歳,女性。左側腹部痛を主訴に救急搬送された。左側腹部に圧痛・反跳痛を認めた。腹部単純CTで下行結腸周囲にfree airと周囲の脂肪織濃度上昇を認め,下行結腸穿孔の診断となり緊急で結腸部分切除術・結腸結腸吻合を行った。術後19日目に左側腹部痛が出現したため絶食とし,また排便コントロールも行い保存的に軽快した。その後は経過良好で術後36日目に退院となった。血管型EDSは若年で動脈破裂や消化管穿孔を発症することが多く,EDSのなかでも一般的に予後不良な亜型とされる遺伝性疾患である。今回われわれは,下行結腸穿孔をきたし,腹腔鏡下結腸切除術と術後の排便コントロールにより軽快退院に至った血管型EDSのまれな1例を経験したので報告する。