日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
症例報告
Open Abdominal Managementが有効であった胃切後絞扼性腸閉塞の1例
多田 陽一郎織原 淳平和田 大和小林 誠人
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 44 巻 1 号 p. 57-60

詳細
抄録

51歳,男性。腹痛が増悪し,救急搬送された。既往に胃癌で腹腔鏡下幽門側胃切除術(Roux-en-Y再建)があった。臍周囲に著明な圧痛を認め,CTでY脚吻合部腸間膜間隙での内ヘルニアが疑われ,手術を行った。開腹するとY脚吻合部腸間膜間隙に終末回腸1mを残してほぼすべての小腸が嵌頓していた。嵌頓解除後にやや色調が改善したが,切除すべきと考えられる小腸が広範囲に及び,安全性を考慮して切除すると短腸症候群に陥るため,open abdominal management(以下,OAM)で経過観察とした。翌日の手術ではY脚吻合部盲端のみが血色不良で,同部位のみ切除した。術後経過は良好で,術後10日目に退院した。OAMは腹部外傷などで用いられてきたが,絞扼性腸閉塞や非閉塞性腸間膜虚血症などで大量小腸切除を回避したい場合の経過観察目的での報告もあり,切除範囲を同定するための方法として重要である。

著者関連情報
© 日本腹部救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top