2024 年 44 巻 1 号 p. 65-68
症例は64歳の女性で,右下腹部痛を主訴に前医を受診した。腹部単純CT検査で魚骨による小腸穿通と診断された。いったんは自然排泄されるのを期待され,経過観察目的で入院となった。しかし翌日になっても症状は改善せず,また腹部CT検査を再検するも魚骨の位置は変化していなかった。そのため外科的治療が必要と判断され,当院へ救急搬送となった。当院の初診時には腹膜刺激症状はなく,全身状態は安定していたが,緊急手術で摘出する方針とした。その結果Meckel憩室を認め,そこに魚骨が穿通していたため,Meckel憩室を含む小腸を部分切除した。今回われわれは魚骨によるMeckel憩室穿通の1例を経験した。Meckel憩室における合併症として魚骨の穿通による急性腹症は比較的まれである。また自験例のように腹膜刺激症状がない症例においても,穿通した魚骨の自然排泄は困難である可能性が高いと思われるため早期の手術が望ましい。