2024 年 44 巻 1 号 p. 83-87
症例は90歳,女性。2日前からの嘔吐,腹痛を主訴に当院に搬送された。造影CTで十二指腸下行部から近位空腸に一致したwhirl signを認め,小腸のclosed loopを認めた。腸回転異常症による中腸軸捻転と診断し緊急手術となった。手術では時計回りの捻転を解除したところ,十二指腸閉塞は解除された。腹腔内にTreitz靭帯を認めず,十二指腸,小腸背側に結腸の通過を認め,reversed rotation typeと診断した。Ladd靭帯を切離し,上腸間膜動脈を中心に腸間膜基部を開大した。小腸や結腸の腹壁固定は行わなかった。術後肺炎を併発したが入院71病日に独歩退院,術後腹部症状の再燃は認めていない。本症例は検索し得た範囲で腸回転異常症の手術症例として本邦最高齢であった。診断にはCT検査が有用であり,高齢者でも症状を認める場合には早期に手術を検討することが重要と考える。