2024 年 44 巻 1 号 p. 89-92
症例は80歳,男性。腹部膨満を主訴に当院消化器内科を受診し,8ヵ月前と30日前に経皮経肝囊胞ドレナージを施行した。2回目のドレナージ後30日目に,突然の右上腹部痛を訴え救急搬送された。腹部CTで肝右葉に虚脱した肝囊胞と腹水を認めた。腹水を試験穿刺すると胆汁が混入しており胆汁性腹膜炎と診断し,腹腔鏡下肝囊胞天蓋切除術(laparoscopic deroofing:以下,LD)を施行した。LD施行後に経鼻胆管ドレナージカテーテルから色素を注入すると,胆管交通部を同定できたので,鏡視下に縫合閉鎖した。術後11日目に退院し,術後10ヵ月現在肝囊胞の増大を認めない。肝囊胞ドレナージ30日後に発症した肝囊胞破裂に対し,LDおよび胆管交通部を縫合閉鎖した1例を経験したので報告する。