日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
小腸・十二指腸転移により腸重積と出血をきたし急激な経過をたどった肺多形癌の1例
坂本 承室谷 研
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2024 年 44 巻 5 号 p. 711-715

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抄録

症例は70歳,男性。3ヵ月前に健診の胸部X線およびCTで右肺上葉腫瘤影を指摘されていた。来院5日前からの黒色便,1日前からの臍周囲痛を主訴に当院救急外来を受診した。腹部CTで小腸閉塞と診断され入院し,保存的加療を開始されたが改善なく,入院13日目に腹腔鏡補助下での手術の方針となった。腹腔内を観察すると,閉塞機転である主病変の腫瘤の他にも小腸の広範囲に多発する腫瘤を認め,そのうち1ヵ所は重積を伴っていたため,主病変と重積部位の2ヵ所を臍より拳上し部分切除とした。術後は残存する小腸多発腫瘤および新たに確認された十二指腸の同様な腫瘍からの出血性貧血が急激に進行し,26日目に死亡した。その後の切除標本の病理診断は肺多形癌の小腸転移であった。肺多形癌の小腸転移は比較的まれであり極めて予後不良である。本症例のように急激な経過をたどることがあるため適切な化学療法の導入時期を逃さないようにする必要があると思われる。

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