理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: NP193
会議情報

測定・評価
三次元動作解析装置における二次的肩甲骨面解析法についての試み
*佐藤 宜充川島 敏生渡邊 幹彦
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【はじめに】現在、三次元動作解析装置において肩甲上腕関節の動きを解析することは困難である。これは、動作中に肩甲骨を示すためのランドマークが体表と肩甲骨間でずれることが原因である。今回我々は動作解析装置上で二次的に肩甲骨面を解析する方法を考案したので投球動作を例に報告する。また、投球動作を前提とした実際の肩甲骨面と本方法との誤差についても一部測定したのでここに報告する。【対象と方法】二次的な肩甲骨面の解析方法は次のように行った。三次元動作解析装置を使用し、通常のランドマークの他に第7頸椎棘突起部(以下C7)と第7胸椎棘突起部(Th7)を加える。二次的肩甲骨面は肩峰のランドマークとC7・Th7のランドマークを含む面とした。この方法を用いて投球動作中の二次的肩甲骨面と上腕軸のなす角を解析した。 実際の肩甲骨面と二次的肩甲骨面の誤差の測定における被検者は肩に疾患のない者7人で男性6人、女性1人であった。誤差の測定方法は三次元動作解析装置を使用し、肩甲骨の内外転方向における6段階の肢位で実際の肩甲骨面(肩峰、上角、下角を含む面)と二次的肩甲骨面解析法(肩峰、C7、Th7を含む面)のなす角を計算する方法で行った。また、各肢位における差の変動についても検討した。【結果】各肢位における2平面の誤差平均値は安静肢位(中間位とする)で15.8±2.9°、10°前方で17.0±2.4°、20°前方で20.5±4.4°、30°前方で17.1±4.5°、10°後方で17.0±6.7°、20°後方で16.4±7.2°であった。分散分析による6段階の肢位における比較では優位な差を認めず、肢位の変化に伴う2平面の差に有意な変動は認めなかった。【考察】今回測定した肩甲骨内外転方向では、いずれの肢位においても実際の肩甲骨面と二次的肩甲骨面のなす角の差に有意差は認めなかった。そのため、実際の肩甲骨面と二次的肩甲骨面の誤差は肢位変化に伴う誤差変動を認めず、おおよそ一定の誤差を呈していると考えられる。さらに、今回試みた二次的肩甲骨面解析法は実際の肩甲骨面と完全に一致しないが、明確なランドマークにて解析するためデータの信頼性が高い。また、本方法では被検者の肩に侵襲を与えることもなく通常の三次元動作解析装置以外に特殊な実験機器も必要としない。そのため、限られた条件で肩甲骨面を解析するための指標としては有効であると考えられる。
著者関連情報
© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top