2024 年 44 巻 6 号 p. 759-765
令和6年4月に特例水準あるいは追加的健康確保措置の適用が始まり,各医療機関はおおむね,時間外労働規制にまずは適応しつつ,適切な勤務間インターバルを確保し,さらにこれまでの救急医療体制を維持するためにできるかぎり宿日直許可を得るべく対策をとっている。日本救急医学会の全国労務調査では超過勤務は40代までの約半数は45時間/月以上,それ以上の世代でも長い勤務がみられ,オンコール(待機)体制は8割の施設で運用されており,うち65%では診療待機の手当はなかった。特定看護師あるいはnurse practitioner(NP)の配置されている施設は約半数で,それ以前に,夜勤帯での救急初療部門への看護師配置は1名あるいは2名の施設が4分の1を超えた。人員不足は夜間の勤務が夜勤ではなくすべて当直と扱われていた旧時代の定員のまま今に至っていることが根本問題である。救急需要が増大するなか,当面は宿日直許可を得ることが優先されざるを得ないにしても,期待される医療DX,タスクシェア/シフトなどにかかるコストの担保や必要な医師確保(増員)がなされなくてはならない。