2024 年 44 巻 6 号 p. 807-810
症例は59歳,男性の透析患者。急激な心窩部痛で救急搬送され十二指腸下行脚の仮性動脈瘤破裂で切迫心停止となり大動脈閉塞バルーンカテーテルで血流遮断後緊急開腹し十二指腸切開・縫合止血した。術後13日目に血圧・意識レベルが低下し,CTでS状結腸~直腸の広範囲壁在気腫,大腸内視鏡検査で直腸RSと盲腸との瘻孔形成を認め,術後22日目に手術を施行した。直腸~S状結腸および盲腸腹側は海苔状に全層融解壊死していた。壊死腸管を切除し回腸終末部で双孔式人工肛門を造設し直腸断端近傍・盲腸内腔にドレーンを留置した。術後バイタルサインは劇的に改善し,直腸断端ドレーンから瘻孔を介し盲腸と下行結腸が,盲腸内ドレーンから盲腸~下行結腸が造影されたが,遊離腹腔内への漏洩はなかった。ドレーンを順に抜去し自宅退院した。耐術能不良で手術のタイミングが遅れた結腸全層性融解壊死に対し,壊死腸管切除・ドレナージと集中治療で救命し得た。