2024 年 44 巻 6 号 p. 815-817
症例は70歳,男性。右鼠径部痛を自覚し前医を受診し,単純CTで閉鎖孔ヘルニアの診断となり当科紹介となった。用手的還納を行ったのち待機的手術を予定した。Direct Kugel patch(以下,DKP)法による右鼠径ヘルニア術後であったため,閉鎖孔の修復の際に留置されたメッシュを温存しつつ確実な閉鎖孔の閉鎖を行うことが必要と考えられた。上記から腹腔鏡下経腹的腹膜前修復法(transabdominal preperitoneal repair:以下,TAPP)を選択し手術を行った。腹膜前腔の剝離を伴うDKP法によるヘルニア修復後であっても,TAPP法による腹膜剝離および腹膜前腔へのmesh留置は可能であった。腹腔鏡下にヘルニア門を確認し,確実なヘルニア門の閉鎖が可能であるTAPP法は本症例のようにヘルニア術後であり解剖把握が肝要になる症例では非常に有用であると考えられた。