日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
ショック状態により診断が困難であった,α-グルコシダーゼ阻害薬が原因と考えられた腸管気腫症の1例
大嶋 清宏澤田 悠輔
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2024 年 44 巻 6 号 p. 819-822

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抄録

症例は86歳,男性。病前よりほぼ寝たきり状態で,糖尿病のためα-グルコシダーゼ阻害薬(α-glucosidase inhibitor:以下,αGI)を内服していた。血圧および酸素飽和度低下のため当院へ救急搬送された。来院時,酸素投与下でSpO2 96%,血圧64/46mmHg,腹部は平坦・軟で,自発痛,圧痛および腹膜刺激症状はなかったが,造影CT検査で小腸に広範な腸管気腫および腸管壁の造影効果低下が確認できた。非閉塞性腸管虚血による腸管気腫と推察したが,ご家族と相談し,保存的加療とした。入院後,徐々に状態は安定し,第37病日に行ったCT検査では腸管気腫は消失していた。第38病日にリハビリ転院となった。臨床経過からαGIを原因とする腸管気腫症と考えられた。αGIによる腸管気腫症でショック状態を呈することはまれである。αGIによる腸管気腫症は保存的に加療可能であるが,慎重な診察継続と状態急変へ迅速に対応できる体制が重要である。

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