2025 年 45 巻 1 号 p. 26-28
症例は41歳の女性。下腹部痛と嘔吐を主訴に夜間救急搬送された。腹部造影CT検査で下腹部に内ヘルニアを疑う腸管集簇像を認めたが,closed loop所見はなく,腸管血流障害は否定的であり,CT撮像後に腹痛は著明に改善したため一晩経過観察を行うこととした。夜間腹痛が再度増悪することはなかったものの翌朝も軽度の下腹部痛は遷延しており,CT検査における内ヘルニア疑い所見を確認するため審査腹腔鏡を行った。左側子宮広間膜に欠損があり,部分的な発赤を伴う小腸を認め,子宮広間膜裂孔への内ヘルニア嵌頓による小腸閉塞が自然解除されたものと考えられた。嵌入腸管の血流障害はなく,子宮広間膜欠損部を縫合閉鎖して手術を終了した。術後経過は良好で,術後2日目に退院した。本疾患は比較的まれな内ヘルニアであり,結果的に術中診断となったが,特徴的なCT所見を捉えることで今後の術前診断に活かすことができる。