2025 年 45 巻 1 号 p. 22-25
症例は77歳,女性。発熱と白色帯下を主訴に救急外来を受診した。炎症反応上昇とCT検査より子宮留膿腫と診断し,ドレナージ,抗菌薬投与で改善した。2ヵ月後,全身倦怠感と発熱のために受診した。肝逸脱酵素の上昇と造影CT検査で肝膿瘍と診断し入院となった。画像上S状結腸子宮瘻が疑われ,子宮留膿腫と肝膿瘍の原因と考えられた。肝膿瘍のドレナージ後に全身状態の改善が得られ,局所の炎症コントロール目的に腹腔鏡下S状結腸人工肛門造設術を施行した。術後3ヵ月でS状結腸子宮瘻の根治術を施行した。術中所見では炎症によりS状結腸と子宮は一塊となっており,S状結腸切除術+子宮全摘出術+両側付属器切除術を施行した。術後経過は良好であった。病理組織検査では瘻孔形成はS状結腸憩室穿通によるものと診断された。結腸憩室炎は骨盤内臓器と瘻孔を形成することがあるが,子宮との瘻孔形成はまれであるため,文献的考察を交えて報告する。