2025 年 45 巻 1 号 p. 33-36
症例は79歳,女性。2週間前からの腹痛を主訴に当院を受診した。腹部所見では右下腹部に限局する圧痛を認め,血液検査で炎症反応の上昇を認めた。腹部単純CT検査で右下腹部の小腸内に線状の高吸収域と周囲の脂肪織濃度の上昇,腹腔内遊離ガスを認め,魚骨による消化管穿孔と診断し緊急手術の方針とした。術中所見では,腹膜透析の影響もあり腸管同士の癒着は強固で触診上も異物および穿孔部位を同定することは困難であった。術中超音波検査を施行し腸管内に存在する異物を確認した。異物が存在する腸管の癒着を剝離した後,内腔から異物を押し出すように穿孔させて摘出した。穿孔孔は吸収糸で縫合閉鎖し手術を終了した。術後経過は良好で術後第15病日に軽快退院となった。消化管異物の探索には無駄な組織剝離の回避,手術時間の短縮のために積極的に術中超音波検査を活用すべきと考えられた。