2025 年 45 巻 1 号 p. 5-8
症例は63歳の女性。S状結腸癌の手術目的に当科へ紹介となった。遠隔転移は認めず,S状結腸に加えて浸潤していた膀胱の一部と左卵巣を合併切除した。病理結果は低分化および中分化管状腺癌であり,StageⅢcであったため,補助化学療法としてCAPOXを開始した。8コース終了した時点でPET-CT検査で脊椎や腸骨に広範囲にFDGの集積を認め,血液検査ではDICを併発しており,播種性骨髄癌症と診断し入院した。急激にDICは進行し,くも膜下出血および硬膜下血腫を発症したため,化学療法は困難となり,脳ヘルニアに進展し死亡した。化学療法ですみやかにDICから離脱し,生存期間の延長を得た報告例が散見されており,播種性骨髄癌症を疑った場合はoncologic emergencyとして,早期の化学療法導入が必要と思われた。