日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
高度貧血を呈した小腸デスモイド腫瘍の1切除例
樋口 北斗穐山 竣江口 翔太橋本 紳太郎齋藤 尚子稲村 幸雄
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2025 年 45 巻 1 号 p. 9-12

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抄録

症例は53歳,女性で動悸と労作時呼吸困難を主訴に前医を受診した。Hb 5.2g/dLと高度貧血を認めたため当院へ紹介となった。造影CTで小腸内腔に潰瘍形成を伴う6cm大の小腸腫瘍を認め,活動性出血は認めないものの,出血源として矛盾しない所見であった。小腸腫瘍による腫瘍出血が貧血の原因と判断し,赤血球濃厚液4単位投与後に小腸部分切除術を施行した。摘出標本で小腸腫瘍の粘膜面に腫瘍の露出を認め,出血源と考えられた。病理組織学的診断でデスモイド腫瘍の確定診断に至った。術後経過は良好で術後7日目に退院した。術後1年経過した現在も貧血の再燃はなく,デスモイド腫瘍の再発も認めていない。デスモイド腫瘍は腹部膨満感や腹痛を伴う腫瘍として発見される報告が多いが,腫瘍出血を伴い高度貧血を呈した報告はまれである。デスモイド腫瘍は膠原線維が豊富で多血性腫瘍ではないが,消化管出血をきたした場合は手術適応と考えられた。

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