日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
胸部操作による経裂孔的胃穹窿部パッチを施行した特発性食道破裂の1例
三浦 良太豊住 武司早野 康一松原 久裕
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2025 年 45 巻 3 号 p. 390-394

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抄録

症例は76歳,男性。左胸痛と悪寒を主訴に前医へ救急搬送された。同日夜間,急激な呼吸状態悪化を認め,胸水検査で食物残渣を指摘され特発性食道破裂の診断となった。発症から54時間後に当院へ転院搬送され,緊急手術の方針となった。左開胸でアプローチすると横隔膜脚から2cm口側の胸部下部食道左壁に5cmにわたる食道破裂部を認めた。単純閉鎖の後に胃穹窿部を用いてパッチし,小開腹創でカテーテル空腸瘻を造設した。術後は遺残膿瘍に対するドレナージを要したが第57病日に退院となった。特発性食道破裂はアプローチ法,破裂部の閉鎖法に関しては種々の報告がある。医学中央雑誌で検索し得た340例に関する後方視的検討では,鏡視下と比較して開胸,一層縫合と比較して二層縫合,被覆術なしと比較して被覆術ありを選択した症例でそれぞれ縫合不全率が少ない傾向にあった。特発性食道破裂に対する術式は開胸での被覆術を含めた二層縫合閉鎖が望ましい可能性がある。

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