日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
小腸穿孔による腹膜炎手術後に鼠径ヘルニア囊膿瘍をきたした1例
松浦 多恵子郷右近 祐司石塚 純平齋藤 由理進藤 吉明
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2025 年 45 巻 3 号 p. 395-397

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抄録

80代,男性。両側鼠径ヘルニアを指摘されていた。手術歴はない。特発性小腸穿孔による汎発性腹膜炎を発症し,緊急で小腸部分切除を行い,術後23日で軽快退院した。術後42日目に外来を受診した際,右鼠径部に鶏卵大の腫瘤を触知した。同部位の発赤や発熱,疼痛はなかったが,炎症反応の上昇と,CTで鼠径部に膿瘍を認め,鼠径ヘルニア囊膿瘍と診断した。同日,膿瘍ドレナージ術とヘルニア根治術を行い,術後合併症なく経過し,二度目の手術から13日目で退院した。ヘルニア囊膿瘍の原因として,初回手術の洗浄が不十分であった可能性がある。ヘルニアを指摘されている患者が腹膜炎手術を行った場合には,ヘルニア囊内を含め腹腔内を十分に洗浄する必要があると考える。

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