日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
脱出した回盲部周囲に膿瘍形成を伴ったSpiegelヘルニアの1例
中島 雅輝松本 紘明田邉 三思藤井 及三佐藤 博荒巻 政憲蒲池 綾子
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2025 年 45 巻 4 号 p. 466-469

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抄録

症例は67歳,女性。数年前から右下腹部の膨隆を自覚していた。2週間前から膨隆の増大と疼痛が出現したため,救急外来を受診した。右下腹部に12cm大の膨隆を認め,表面皮膚は発赤し著明な圧痛と波動を認めた。腹部造影CT検査では右腹直筋外縁から回盲部が脱出し,これに接して8cm大の内部不均一な低吸収域を認め,膿瘍と判断した。エコーガイド下に膿瘍内にドレーンを留置,10日後に膿瘍腔の消退を確認してドレーンを抜去,その後前方アプローチで手術を行った。ヘルニア囊に達し開放したところ盲腸の癒着を認めた。同部が膿瘍の原因として考えられたため,盲腸切除を行い虫垂炎の可能性も考慮して虫垂切除も併施した。術後は順調に経過し10日目に退院した。病理診断では虫垂炎所見は軽度で,盲腸の穿孔が疑われた。脱出した回盲部周囲に膿瘍形成を伴ったSpiegelヘルニアの1例を経験したので報告する。

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