2025 年 45 巻 4 号 p. 473-476
症例は60歳,女性。腹部膨満感を主訴に受診した。腹部症状に乏しく血液検査所見では炎症反応を認めなかった。腹部造影CT検査では腸管壁内に多発性の気腫と肝表面に腹腔内遊離ガスを認めたが,汎発性腹膜炎の所見に乏しかったことから緊急手術を行わず,保存治療を選択した。入院後,上下部内視鏡検査を施行したが粘膜病変を認めなかった。Raynaud現象と経時的に増悪する両下肢浮腫を認め,精査の結果,全身性強皮症と診断した。腸管囊腫様気腫症を伴う未診断の全身性強皮症に対して,手術を回避し背景疾患の診断に至った1例を経験したので,ここに報告する。