2025 年 45 巻 4 号 p. 477-479
気腫性胆囊炎はガス産生菌の感染により胆囊壁に気腫を伴う胆囊炎であり,急激な臨床経過をたどることも多い。症例は80代,女性。腹痛で前医を受診し,門脈ガスと腹腔内遊離ガスを認め消化管穿孔の疑いで当院に搬送となった。来院時はショック状態であり,消化管穿孔の診断で緊急手術の方針とした。術前は穿孔部位を同定できず,肝下面には限局した異常ガス像を認め,腸管膜や後腹膜への穿通も否定できないと考えた。術中は消化管穿孔や後腹膜や腸間膜にも穿通は認めなかった。一方で胆囊は色調不良で暗紫色を呈し,握雪感を伴い腫大していた。以上から壊疽性変化を伴った急性気腫性胆囊炎による汎発性腹膜炎と診断し,胆囊摘出術と腹腔内洗浄ドレナージ術を施行した。術後にCTを再検討し,肝下面の気腫が胆囊であったと考えられ,術前診断できなかったことは反省点であった。門脈ガスと腹腔内遊離ガスを認めた場合は気腫性胆囊炎も鑑別にあがると考えられる。