2025 年 45 巻 4 号 p. 485-488
症例は81歳,男性。食物のつかえ感と嘔気を主訴に当院消化器内科を受診した。CT,EGDで複数の胃内胃石と閉塞症状を有する小腸胃石を認めたため,イレウス管による減圧と溶解療法が開始された。治療開始後,小腸胃石は消失したが,大小2つの胃内胃石は不変であったため,内視鏡下に摘出が試みられた。小さな胃石は摘出可能であったが,大きな胃石は巨大で摘出困難と判断され当科に紹介となった。腹腔鏡下胃切開術で胃石を摘出し,切開した胃壁を体腔内層々縫合で閉鎖した。摘出した胃石の大きさは14.5×4×4cmで,成分分析でタンニンが検出された。術後に胃内容排出遅延を認めたが,術後10日目に食事を開始し,22日目に退院となった。胃内胃石を腹腔鏡下手術で摘出した報告例は少ない。標準的な縫合技術と胃壁切開を胃石の短径を考慮した最小限の長さにすることで体腔内縫合でも手術時間の延長なく,安全に施行可能と考えられた。