2025 年 45 巻 6 号 p. 544-550
絞扼性腸閉塞は緊急手術を要する疾患であるが,90歳以上の超高齢者に発症した場合には治療方針の決定に迷う場合がある。そこで,90歳以上の超高齢者に発症した絞扼性腸閉塞の治療成績を調査し,どのような課題があるのか検討した。2016年1月から2024年6月までに90歳以上の絞扼性腸閉塞で緊急手術を行った14例を対象に,臨床因子や術後治療成績を調査した。術後合併症を8例(57.1%)に認め,その内訳は肺炎が5例でもっとも多かった。絞扼性腸閉塞術後の転帰として6例(42.9%)は自宅退院できず,その原因として摂食嚥下機能障害の割合が有意に高かった(P=0.015)。90歳以上の絞扼性腸閉塞の術後合併症割合は高く,自宅退院できない症例が多かった。術後の摂食嚥下機能障害が転帰の悪化に大きく影響しており,術後早期から機能維持のための取り組みが課題である。