日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
症例報告
鼠径部ヘルニア嵌頓に対する二期的腹腔鏡下ヘルニア修復術
服部 陽間宮 俊太江川 由美飯田 義人
著者情報
ジャーナル 認証あり

2025 年 45 巻 7 号 p. 609-613

詳細
抄録

成人鼠径部ヘルニア嵌頓において,感染リスクが高まった際のメッシュ使用に関しては議論が残る。当院では用手還納し得なかった鼠径部ヘルニア嵌頓に対する手術に際し二期的腹腔鏡手術を選択肢としており,これを施行した7例を報告する。症例は全例女性,平均年齢は82歳,日本ヘルニア学会の新JHS分類ではL型2例,M型1例,F型4例であった。二期的手術選択の理由は汚染腹水の存在が3例,腸管切除併施が4例で,待機期間中の再発予防処置にはヘルニア囊翻転結紮を第一選択とした。7例中5例は待機的に二期目手術まで完遂し合併症なく経過したが,残る2例は待機期間中に初回手術時の腹膜破綻に起因すると考えられる再嵌頓や膿瘍形成を認め治療を要した。鼠径部ヘルニア嵌頓に対するヘルニア囊翻転結紮を併施した二期的腹腔鏡下ヘルニア修復術は,一部症例選択や初回手術時の手技に注意を要するが,合理的な治療戦略である。

著者関連情報
© 日本腹部救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top