日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
好酸球性多発血管性肉芽腫症に対するステロイドパルス療法後に小腸穿孔をきたしたサイトメガロウイルス腸炎の1例
長谷部 達也藤田 博陽一戸 大地木村 昭利石澤 義也梅原 豊
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2025 年 45 巻 7 号 p. 614-618

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抄録

サイトメガロウイルス(cytomegalovirus:以下,CMV)は幼少期に初感染し,成人の80%が抗体を保持する。多くは不顕性感染だが,免疫抑制状態で再活性化する。CMV腸炎は全消化管に発症するが,小腸炎による小腸穿孔は比較的まれであり,文献的考察を加え報告する。症例は56歳,男性。統合失調症と気管支喘息の既往がありプレドニゾロンを4年間投与されていた。X年10月23日に両下肢麻痺・腹痛のため救急搬送された。好酸球性多発血管性肉芽腫症が疑われ11月6日からメチルプレドニゾロン1g/dayのステロイドパルス療法が行われた。11月10日より腹痛が再発し,11月15日に撮影した腹部X線およびCTで小腸穿孔と診断され小腸部分切除術を行った。術後病理でCMV小腸炎による穿孔と診断され,ガンシクロビル投与を開始し14日目にCMV抗原が陰性化した。免疫抑制状態での急性腹症を診る際には,CMV腸炎の可能性を考慮することが重要である。

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