2025 年 45 巻 7 号 p. 619-622
症例は68歳の女性。持続する腹痛を主訴に前医を受診し,S状結腸軸捻転の疑いで当科紹介となった。造影CT検査で結腸脾弯曲部軸捻転の診断となり,脾弯曲部での視野を考慮して腹腔鏡下での緊急手術を施行した。術中所見として,横行結腸から下行結腸の生理的固定がなく,脾弯曲部に時計回りに270°の捻転を認めた。捻転を解除し,捻転の軸となっていた癒着を剝離した。初発であったことも考慮し,腸切除は行わずに手術を終了した。腹腔鏡手術によって,小さな手術創で良好な視野を得ることが可能であった。横行結腸軸捻転は結腸軸捻転のなかでもまれであり,脾弯曲部に限定するとさらにまれである。今回,われわれは結腸脾弯曲部軸捻転に対して,腹腔鏡下手術を施行したまれな症例を経験したため報告する。