日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
浸潤性小葉乳癌の小腸転移による腸閉塞の1例
菊池 悠太高橋 吾郎山田 岳史上原 圭進士 誠一松田 明久須藤 悠太塩田 吉宣吉田 寛
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2025 年 45 巻 7 号 p. 623-626

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抄録

乳癌はまれに小腸へ転移し,腸閉塞や消化管穿孔の原因となる。われわれは,複数箇所の転移巣を有する浸潤性小葉乳癌の小腸転移による腸閉塞の1例を経験した。症例は85歳,女性。多発骨転移を伴う右乳癌に対して化学療法後緩和ケア導入となっていた。腹痛精査のため施行した腹部造影CTで絞扼性腸閉塞が疑われ緊急手術を行った。回腸末端より約50cmの腫瘍性病変を閉塞起点とし,さらに口側に別の病変を認めたため,一括切除した。病理組織検査ではE-cadherin陰性であり,両病変は浸潤性小葉乳癌の小腸転移と診断された。末期乳癌においても,原因不明の腹痛が持続する場合,小腸を含む消化管転移を念頭に置くことが重要である。また,転移性小腸腫瘍による腸閉塞では,複数病変の存在を常に考慮すべきである。

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