日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
採卵によるS状結腸間膜の損傷に対しICG蛍光法による血流評価が有用であった1例
北條 由実子筒山 将之櫻井 俊輔
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ジャーナル 認証あり

2026 年 46 巻 3 号 p. 406-409

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抄録

症例は41歳,女性。未経産婦。前医で経腟超音波ガイド下に採卵が行われ,腹痛が改善せず当院救急外来を受診した。経腟超音波検査で子宮周囲に点状高エコーと高エコーの塊が浮遊する無エコー域を認め,腹部造影CTで腸間膜血管からの造影剤漏出,多量の腹腔内液体貯留を認めた。採卵後の腹腔内出血を疑い緊急開腹止血術を施行した。術中,腸管と大網の子宮底部への癒着,S状結腸間膜損傷,S状結腸間膜血管からの出血を認め,腸間膜の損傷血管を縫合止血した。S状結腸の肉眼的な色調不良は認めなかったものの直動脈を損傷していた。ICG蛍光法で腸管壁を観察し,蛍光不良域を認めたためS状結腸を切除吻合した。生殖医療は年々施行例が増えており,産婦人科医以外も合併症の対応をする機会が増えていくことが予想される。また,ICG蛍光法による腸管血流の評価は虚血範囲を視覚的に確認でき,外傷や医原性の腸間膜損傷に対して有用であると考えられる。

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