2026 年 46 巻 3 号 p. 450-453
大動脈十二指腸瘻(aorto-duodenal fistula:以下,ADF)は周術期の死亡率が高い疾患である。ADFの救命には術前・術中の一時止血が生死を分ける。われわれはADFに対する出血制御を目的として蘇生的大動脈内バルーン遮断(resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta:以下,REBOA)を行い救命し得た2例を経験した。症例1では術前に大量出血をきたしたADFに対してREBOAを施行し人工血管再置換術を施行した。症例2では循環動態が安定したADFに対して予防的にREBOAを留置し人工血管再置換術を施行した。1例に穿刺部の動脈解離を認めたが経過観察のみで改善し,2例ともに術後再出血なく退院した。ADFに対して一時止血を目的にREBOAを施行することは緊急手術をより安全に施行するために有用であると考えられた。