2026 年 46 巻 3 号 p. 482-486
症例は91歳の男性で,腹痛・発熱で受診した。右上腹部に限局した圧痛を認めた。腹膜刺激兆候はなし。腹部CTで,小腸間膜内に少量のガス像と脂肪織濃度上昇を認めた。その近傍に遊離ガス像を認めた。小腸穿孔の診断と治療をかねて腹腔鏡補助下に緊急手術を施行した。右上腹壁に癒着した小腸を剝離すると,小腸腸間膜から排膿を認めた。トライツ靭帯から30cm肛門側の空腸憩室の腸間膜への穿通から膿瘍を形成し,その膿瘍が穿孔し,腹壁に癒着したものと判断した。同部位の空腸部分切除を行い,空腸空腸吻合術を施行した。病理組織学的検査所見は,空腸仮性憩室の憩室炎による腸間膜への穿通,穿孔であった。経過良好で,術後9日目に退院した。超高齢者でも,鏡視下に手術を行うことで,低侵襲で良好な結果が得られた。