2026 年 46 巻 6 号 p. 655-660
【はじめに】大腸憩室炎では,画像上炎症が限局していれば,腸管外airを伴う穿通・穿孔例でも保存的治療を選択することが多いが,治療が奏効せず手術に至る症例が存在する。【対象および方法】当院で保存的治療を行ったHincheyⅠ・Ⅱに分類される大腸憩室炎穿通・穿孔症例75例の臨床経過を後方視的に解析し,保存的治療成功群・不成功群を比較した。【結果】保存的治療は66例(88%)で成功し,9例(12%)が不成功で手術に至った。不成功群では左側結腸症例が多く,HincheyⅡ症例が多く,来院時CRP値が有意に高く,治療開始後3〜7日目までの白血球数が有意に高値であった。一方,年齢,性別,糖尿病や喫煙歴,血液培養の結果,抗菌薬の種類は治療の成否に関連しなかった。【結論】穿通・穿孔性憩室炎では,炎症が限局した症例でもハイリスク症例を予測し,必要時に早期手術介入に繋げることが大切である。