日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
症例報告
コーラ溶解療法・内視鏡的砕石術により腸石を摘出した糞便性腸閉塞の1例
藤坂 悠司
著者情報
ジャーナル 認証あり

2026 年 46 巻 6 号 p. 705-710

詳細
抄録

症例は79歳,女性。3日前より左下腹部痛を生じ,当院外来を受診した。腹部は膨満し,左側腹部・下腹部に圧痛・反跳痛を認めた。腹部CT検査を施行し,横行結腸に約52×43mm大の腸石を認めた。また,上行結腸から横行結腸まで便塊貯留があり,腸管拡張を認めた。糞便性腸閉塞と診断した。緊急入院し,経肛門的腸管減圧チューブを挿入した。患者・家族は治療方法として手術を希望せず,コーラ溶解療法・内視鏡的砕石術による腸石の摘出を希望した。腸石に対するコーラ溶解療法の機序として,酸による繊維質結合の消化,重炭酸ナトリウムによる粘液溶解作用などが推測されている。コーラ溶解療法を先行して行うことにより腸石は軟化し,手技を工夫して内視鏡下で把持鉗子を用いて腸石を砕石し,肛門より摘出した。手術と比較すると,コーラ溶解療法や内視鏡的砕石術は全身への負担が少ない治療方法であり,治療選択肢の1つとなりうると考える。

著者関連情報
© 日本腹部救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top