日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
腹腔内freeairを伴う子宮留膿腫穿孔による汎発性腹膜炎の1例
湊 博史崔 聡仁海老原 良昌鶴田 宏史増山 守加藤 誠渡辺 信介
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 24 巻 1 号 p. 137-140

詳細
抄録
症例は77歳, 女性. 腹痛を主訴に来院. 腹部CT検査にて骨盤腔内にfreeairと腹水を認めたため, 下部消化管穿孔による汎発性腹膜炎と診断し緊急開腹術を行った. 開腹すると消化管に異常はなく, 子宮底部に5mm程度の穿孔部を認め, 膿汁が流出していた. 年齢と子宮の性状から子宮体癌が疑われたので, 両側付属器を含む子宮全摘術を行った. 病理組織学的には悪性所見は認めず, 子宮からの膿汁ではstretococcusを検出した. 高齢者のfreeairを伴う汎発性腹膜炎では下部消化管穿孔を考えがちであるが, 女性の場合, 子宮留膿腫穿孔も鑑別疾患の中に入れる必要があると思われた.
著者関連情報
© 日本腹部救急医学会
前の記事
feedback
Top