2005 年 11 巻 2 号 p. 1-9
使われる分野や文脈によってさまざまな意味を付与されているメディアリテラシーには,大衆文化と高尚文化の対立図式の中で,情報によってもたらされる人間の思考や態度,価値など内面的な側面と,外在的な情報を内面化する能力としての側面が存在する。それらを,道具的技能,相互作用的リテラシー,批判的リテラシーの3つの層と,メディア使用能力,メディア受容能力,メディア表現能力の3つの能力によって整理し,それぞれに学習者の主体的なメディアとのかかわりを想定した。これによって,それらを主体的に運用する能力すなわち,自分自身とメディアとのインターフェイスをデザインする能力として新しくメディアリテラシーが再定義できた。