2006 年 13 巻 1 号 p. 19-24
eラーニングを補助的に用いた大学の授業について,大学生66人の自由記述の授業評価を分析した。回答者のほとんどがeラーニング利用継続の意図を持っていたが,その半数は,利用に不安を持っていた。また多くが,他人への配慮がなかった。利用するまでに時間がかかった回答者が少なくなかった。この評価から授業を改善し,印刷物の利用,教授者の即日の返事,授業中の対面コミュニケーションの多用により,利用不安解消を目指した。eラーニングだけを利用した学習は大学生においても困難であること,教員には負担がより大きくなること,ソフトのヒューマン・インターフェースの改良が必要であることが議論された。