教育メディア研究
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青年期中期における携帯メールの使用と,友人関係およびそれに関する意識
赤坂 瑠以坂元 章高木 秀明
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2007 年 14 巻 1 号 p. 27-39

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抄録
今日の日本では,携帯電話が急速に普及しており,携帯電話の教育的活用の効果も期待される反面,携帯電話を教育現場に取り入れる悪影響も指摘されている。そこで本研究では,青年期中期にあたる高校生世代520名を対象に,携帯メールの使用と,友人関係および,それに関する意識との関連を検討した。その結果, a)携帯メールの使用量が多いほど,軽い付き合いの友人の人数が多い一方で,本音の言える親友のような友人の人数には違いが見られないことが示され,携帯メールは,希薄から緊密にいたる友人関係を併存させうるツールであることが示唆された。また, b)携帯メールのやり取りが多いほど,本質的連帯感が高く,逆に妥協的連帯感は低いこと, c)携帯メールの使用量の違いと独立意識の低さとの相関関係は認められないことなどが示された。これらは,友人関係やそれに関する意識について,携帯電話は悪影響を及ぼしそうにないことを示唆している。
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© 2007 日本教育メディア学会
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