抄録
You Tubeの急速な普及により個人のビデオへのアクセスや貢献は大きく変化し、学生や教育者に対して大きなインパクトをもつようになったにもかかわらず、教育の場面においてYouTubeがどう利用されているかを明らかにする研究はほとんど行われていない。本研究の目的は、日本およびアメリカ合衆国において大学生と教育者 がどのようにYouTubeのビデオを創り出しているか、オンライン上でどのようにその膨大なビデオを利用しているかを調査することである。さらに、本研究は大学におけるメディアリテラシー教育に対してYouTube文化がどのような意味を持つかを論じる。研究への参加学生数とその年齢層についてアメリカと日本の学生の間に大きな差が見られ、また参加教員の数は学生数に比して少ないという点があったが、本調査の結果、アメリカと日本では学生と教育者のYouTubeの利用にいくらかの違いがあることが明らかになった。両社会における社会文化的観点の違いは、教育内容の開発と教育・学習の実践に対して興味深い示唆を与えるものである。