2016 年 22 巻 2 号 p. 1-12
本研究は,教員研修において教師が自らの経験を土台に内省することを支援するため,デジタルストーリーテリングを組み込んだプログラムを開発した。具体的には,「自分のパフォーマンス」と「熟達者のパフォーマンス」を比較して自らの学びをデジタルストーリーにまとめるという課題で学習者の省察の効果を調査し,その要因を明らかにした。質問紙調査の結果,その方法が有効であり,その要因としては,ストーリーを構成する上で,映像や音楽が極めて重要な役割を果たしていることが明らかになった。特に映像は,自分では気づかないような教師の教授行為を省察の対象として健在化させ,熟達者との違いを明確にするというメリットがあると思われる。