抄録
本研究では,英語の自主的な学習での学習方法に対する「好み」の構造と傾向,および「好み」が学習行動に及ぼす影響を明らかにすることを目的に,オンライン調査を行った。その結果,「好み」の因子として「拡散的好奇心」「特殊的好奇心」「達成感」「刺激」が確認された。また,学習方法をクラスタ分析により「音声・活字言語教材型」「映像メディア型」「活字メディア型」「人と交流型」に分類して「好み」の傾向を比較したところ,「拡散的好奇心」「特殊的好奇心」「有効性」はクラスタ間で大きな違いはなかった。一方,「達成感」「刺激」「低コスト」はクラスタによって異なる傾向が示された。さらに,「好み」が学習行動に及ぼす影響を調べたところ,「拡散的好奇心」が学習の期間や継続に影響を及ぼすこと,また,コスト感の低さが学習の頻度や継続に影響を及ぼすことが明らかになった。