抄録
本研究では,小学校第3学年を対象にクラウドに関する理解を促す学習とクラウドの活用を体験する学習を実施し,この2つを学習する順序が,児童のクラウドを主体的に活用しようとする意識に及ぼす影響を検討した。二要因分散分析を用いて検証した結果,クラウドについて理解する学習によってクラウドを主体的に活用しようとする意識が育まれること,クラウドに関する理解を促す学習を先に実施し,その後,クラウドの活用を体験する学習を実施することで,クラウドを主体的に活用しようとする意識がより育まれることが示唆された。また,実践に対する情意面に関する質問紙調査の結果より,実施した学習は児童から高く評価されたことが明らかになった。以上の結果を踏まえ,クラウドの活用を小学校の学習に導入する際に,クラウドに関する理解を促す学習を,発達段階に応じて実施することの有効性について考察した。