教育メディア研究
Online ISSN : 2424-2527
Print ISSN : 1340-9352
ISSN-L : 1340-9352
フィルターバブルやエコーチェンバーの問題について小学生が緩和策を考える授業の開発と評価
藤原 雅弘永田 智子澤山 郁夫海﨑 孝斗
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 30 巻 2 号 p. 69-82

詳細
抄録
パーソナライゼーションの負の側面として,フィルターバブルやエコーチェンバーといった現象が注目される一方で,それらを初等教育において授業に取り入れた国内の実践は少ない。本研究では小学生がパーソナライゼーションの利点を踏まえた上で,フィルターバブルやエコーチェンバーの問題について話し合いを通して緩和策を創出する授業を開発した。この授業は,小学5年生社会科の情報社会についての単元内で実践した。授業中の児童の発言やワークシート,振り返り記述から,児童はパーソナライゼーションの利点,フィルターバブルやエコーチェンバーの問題点を理解し,その緩和策を創出する様子がうかがえた。また,授業実施から1週間後の児童の批判的思考態度について,授業前と比較すると客観性と探究心に関する下位尺度得点が向上していることが質問紙の分析結果より示された。
著者関連情報
© 2024 日本教育メディア学会
前の記事 次の記事
feedback
Top