抄録
本研究は,教員養成課程の学生を対象として,模擬授業の準備で困難に直面した際の情報探索に着目し,書籍,検索エンジン,生成AI,AI要約への利用意向およびその理由を調査した。その結果,書籍の【情報の正確性と信頼性の担保】やAI要約の【概要の把握と詳細情報への足掛かり】のように,各々の特性を活かして手段を道具的に活用する記述が見られた一方で,検索エンジンの【情報探索や取捨選択への負担感】から情報を選択することを手間であると感じることや,生成AIの【回答の即時性と心理的負担の軽減】から,真偽を確かめることなく直接的に回答を求めるような依存的援助要請につながる利用を示唆する記述も見られた。このことから,同一の情報探索の手段であっても,学習を深めるためにそれらの手段を道具的に活用したり,情報を探索することの負担や真偽の確認にかかる労力を回避したりしようとするなど,学習者がどのように活用するかによって,援助要請の質に差異が生じる可能性が示唆された。