抄録
本研究は,学校図書館における探究学習の成果物の保存および活用の実態を明らかにすることを目的とし,先進的な実践を行う国立・公立・私立学校の学校図書館を対象にインタビュー調査を行った。調査の結果,各校では設置形態や教育体制,人的・物的条件の違いを背景としながらも,成果物の保存形態,運用・管理体制,授業や閲覧を通じた活用が行われていることが確認された。さらに,調査結果をカテゴリ化し横断的に分析したことで,探究学習の成果物の保存・活用を成立させるためには,①探究学習が継続的に実施され学校図書館が関与する体制,②保存に適した成果物の形態や選別の仕組み,③学校図書館内における継続的な運用・管理体制,④生徒や教員に届く活用導線,⑤保存・活用の効果が校内で共有される仕組みが重要であること整理された。本研究は,複数の先進事例をもとに指針を示したことに意義がある。