抄録
映像制作初学者の作品改善において,指摘を具体的な修正行動と知識定着へ接続することは容易ではない。本研究では,時間情報(タイムコード)付きコメントと,その指摘内容に対応する教材への直接リンクを実装したレビューシステムを用い,大学の演習にて実践した。有効回答56名の分析結果,学習者は「基礎運用層」「意図統合層」「仕上げ最適化層」の3群に抽出された。アンケートの結果,コメントの参照度は全群で高いものの,教材の参照頻度と明瞭性評価には群間差(特に基礎運用層の低迷)が確認された。また自由記述から,各層が抱える困難の質的相違が明らかとなった。結論として,層ごとにフィードバックの優先度と教材の粒度(要点・比較例・詳細)を変化させる「層別支援」を提案する。本研究は,個別のつまずきに応じた導線を設計することで,初学者の自律的な作品改善を支える指導法の構築を目指すものである。