抄録
本研究は,児童が学習形態を選択する場面において,ペアやグループの解散を促す教師の発話の特徴と児童の行動との関連を検討した。その結果,対象教師は,固定化されたペアやグループで学習を続けている児童に対し,学習の捗りの具合や現状の学習形態の妥当性を尋ねる発話を行っており,ペアやグループの解散を促す発話のうち約7割を占めていた。また,教師の発話によって児童の行動が即時的に変容したのは,【協働の解散の指示】【協働相手の選択に対する支援】【協働相手の提案】といった発話であった。一方,【学習状況の確認】など,ペアやグループの解散といった行動の変容に至らなかった発話は,児童が自身の学習形態を再考する機会となっていることが考えられた。以上より,教師は発話を通して,ペアやグループの解散という行動の変容を促すとともに,学習をともに行う相手の妥当性を再考するという内省を支援していることが示唆された。