抄録
本稿は,NHKアーカイブス学術利用(連携型)を活用し,学校放送音楽番組が子ども向け楽曲の普及に果たした役割と,その研究方法を検討したものである。1980~90年代の小学校中学年向け番組『ふえはうたう』と『ゆかいなコンサート』を対象に,学習指導要領改訂前後の計79本を視聴し,楽曲と演出を分析した。その結果,『ふえはうたう』では『みんなのうた』などNHK番組を起点とする楽曲の学校教育への波及が確認され,『ゆかいなコンサート』では教科書では扱いにくかった非西洋系楽曲を含む鑑賞教育への貢献が明らかになった。両番組とも学年の発達段階に即した演出がなされており,アーカイブスを用いた共同研究の有効性と今後の課題が示された。