抄録
本研究は,教育メディアとしての人形劇に関する研究の動向分析と,人形劇が子どもの非認知能力の発達や学びにおいて,どのような教育的な効果を有するのかを検討するための基礎的な知見を得ることを目的とした。そのために,J-STAGE上で,タイトルに「人形劇」が含まれている査読付き論文20件を対象とし,人形劇の種類,発行年,研究領域の特徴,記述に見られる非認知能力の要素で分析した。その結果,人形劇に関する研究は2010年代以降,量的に拡大し,研究領域も多様化してきた一方で,理論的な視点が分散しており,研究全体を俯瞰的に整理する枠組みが十分ではない状況にあることが示唆された。また,先行研究においては「非認知能力」との関連が示唆される記述は見られるものの,それを主題として体系的に検討した研究は確認されなかった。