抄録
東京科学大学教育革新センター(CITL)では,TA業務に従事する修士課程・博士後期課程の学生を対象とした「未来の大学教員・専門職準備(Preparing Future Faculty and Professionals: PFFP)プログラム」を試行している。本プログラムでは,大学院生をラーニング・アシスタント(Learning Assistant: LA)として学内から募集し,STEM教育チームおよびコンテンツ開発チームの2チームを編成した。教職員との協働のもと,それぞれのチームが(1)STEM分野におけるTA研修のニーズ調査とプログラム設計,(2)TA研修内容のデジタル教材化に取り組んだ。本研究の目的は,理系大学におけるTA研修プログラムを教職員と大学院生の協働により設計・開発するプロセスを明らかにするとともに,その教育的意義を検討することである。そのために,LAの活動記録,成果物,振り返りデータをもとに,協働による学習プロセスを分析した。本稿では,CITL主導によるPFFPプログラムの試行的実践を報告し,TA研修の高度化に向けた協働設計の有効性と課題について論じる。