抄録
GIGAスクール構想の進展に伴い,児童・生徒が情報機器を用いた学習が普及している。本研究では,情報機器を活用した学習内容と,それに対する児童・生徒が感じる評価との関係を明らかにすることを目的とした。全国の小中学生を対象に行った調査結果を用い,学習に対する評価項目に対して因子分析を実施し,「効果的な学習」「不安・負担感」「学習行動の課題」の3因子を抽出した。さらに,GIGAスクールの具体的な授業内容(調べ学習,協働活動,発表等)と各因子との関連を検証した。その結果,情報機器を多様に活用した児童・生徒は「効果的な学習」を高く評価する一方で,「不安・負担感」も同時に高まる傾向が確認された。これは,情報機器を利用した授業を実施したからこそ「情報の安全性や情報真偽」に対する不安が現れるようになったのではないかと推測される。また,特に自己主導型の学習活動においては「学習行動の課題」が低下する傾向が見られた。これらの結果から,多様な情報機器の効果は多面的に現れることが示唆された。